2019年10月22日 橋本会勉強会
「歯髄保存治療を成功させるために」
下半期講演活動のまとめ2つ目は、10月に行われた橋本にあるエンドウナチュラルデンタルオフィス院長の遠藤先生が代表でいらっしゃる「橋本会」での講演です。
遠藤先生は、同世代で非常に精力的に活動されている先生で、特にご自身のクリニックである遠藤ナチュラルデンタルオフィスは従来の歯科医院の枠を大きく超えてデザインされたクリニックで、中を見学するだけでも詰め込んだ最先端のアイデアに圧倒されてしましました。
私のクリニックにも参考になることがたくさんあり、見学させていただいて非常に勉強にもなりました。
空港のロビーかと思うような素晴らしい待合室です。
この2階に広く設備の整った研修室があります。
今回の橋本会では、自分の今最も興味を持ち、深く掘り下げて講演を行っている「歯髄保存」を中心に、朝の10時から17時位までの1日講演を行いました。
「歯髄」とは、いわゆる歯の神経にあたる部分です。
歯髄は、知覚を司り、痛みを感じることで歯の防御を行うことが可能となり、中に含まれた血管が新しい歯の組織を作ることで刺激の遮断を行うことができます。
さらに、根の成長を促し、丈夫な歯に育てる機能も持っています。
歯を生きたまま、長期的に長く健康に保つために非常に重要な組織です。
歯髄保存治療とはその名の通り、虫歯にさらされたり、外傷を受けてダメージを受けた歯髄を保存し生きたまま使っていくための治療法です。
この治療はかなり歴史が古く、かなり昔から行われてきました。
しかし、術式や材料が多岐にわたり、どれをどう使ったら歯髄が残せるのか混乱してしまっている先生も多くいらっしゃる分野です。
私の講演では、歯髄保存治療について、「診断」「間接覆髄」「直接覆髄」というパートに分け、現段階でわかっている研究などの根拠に基づいた治療を紹介し、聞いていただいた先生の頭の整理ができるように心がけています。
今回の橋本会に参加していただいた皆さんは、本当に勉強熱心で素晴らしい先生ばかりでした。
質問も鋭く、私自身が勉強になることもたくさんありました。
この会を運営されている遠藤先生のお人柄がわかるとてもいい勉強会だと思います。
歯髄保存治療は私自身のライフワークと考え、突き詰めて更に安全に、確実に歯髄を残す方法を探求していきたいと思います。