2019年もあと1時間半ほどで暮れようとしています。
今年最後の投稿は、院長講演活動記録の中でも執筆の記録です。
大手歯科雑誌クインテッセンスの10月号の特集で、東京歯科大学名誉教授下野正基先生と「断髄と歯髄閉塞」という18ページの記事を共同執筆させて頂きました。
内容は、歯髄保存治療が非常に進化し、残せる歯髄が増えてきた一方で残すことに対してなにか弊害はないか、ただ残すことが本当にいいことなのか?
今一度、歯髄保存治療の原点にたって考えてみるという企画です。
下野先生とのディスカッション形式で進んでいく面白い企画となりました。
歯髄(歯の神経)は歯にとって、健康を司る非常に重要な器官であることは言うまでもありません。
だからといって歯髄を残すことばかりに目を向けて、どんな状態の歯髄を残すかという「診断」を軽んじてはいけないと考えています。
私達歯科医師でも歯の中にある歯髄の本当の姿を見ることができません。
生きているかどうかだけを推察するしかできないのです。
歯髄は、元気で生きている場合と、虫歯に長期間さらされて死にかけのまま生きている場合があります。
それを、理解した上で、患者様ごとの本当の歯髄の状態を可能な限り診断し、最良の治療選択ができることが最も重要です。
元気な歯髄は全力で活かしていきますし、死んでしまった歯髄は、腐ってしまわないようきちんと除去してあげるべきです。
さらに、このような歯髄保存をすることの中にもメリットデメリットがあるということも患者様にきちんとお伝えし、ご納得された上で治療を行うことも非常に重要だと思います。
今回の企画の実現には、東京歯科大学名誉教授でいらっしゃる下野正基先生の病理学の専門知識が絶対に必要でした。
下野先生は、どんな先生からのどんな質問でもご自身の知識を、全力で教えてくださる本当に尊敬している素晴らしい先生です。
また、臨床と研究という非常に密接であってもなかなかお互いが近づくことが難しい部分を、非常にわかりやすい言葉で解説いただく講演や著書が非常に好評を博し、
歯科医師の中で知らない先生はいないのでないかと思うほど今、各地で講演活動に引っ張りだこのとてもお忙しい毎日を送っていらっしゃいます。
そういったお忙しい状況でなんとか貴重な時間を頂き、執筆していただけました。
下野先生の病理学的見解が非常にわかりやすく、とても面白い記事になったのではないかと思います。
私自身この共同執筆をさせていただいたことで、歯髄保存治療についてさらに知識を深め、アップデートさせることができました。
患者様皆さんにそれを還元したいと思っています。
このような機会をいただけましたクインテッセンス出版の編集部に心より感謝いたします。
11月後半に下野先生と出版記念祝賀会を行ってきました。
その時に、編集の方に読者アンケートで高い評価を頂いたことをお聞きし下野先生とホッと胸をなでおろし美味しいお酒を楽しみました。
目の前のテレビで紅白歌合戦が終わろうとしています。
今年もたくさんの講演、執筆をさせていただきました。
自分の力ではなく、呼んでいただいた先生、依頼していただいた方々あってのことです。
本当にすべての方に感謝し、来年もまた頑張ろうと思います。
また、クリニックは追加工事を行い、診療の充実にも最大限の力で取り組んでいこうと思います。
来年もまたよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。